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・・・生意気☆マイキー・・・ 『聖ヴァレンタイン伝説』
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2007-02-14

『聖ヴァレンタイン伝説』

『 聖 ヴ ァ レ ン タ イ ン 伝 説 』

今日はバレンタインデーである。
街には若い男女があふれかえり、幸せそうな笑みを交わしている。そんな彼らをウィンドウ越しに眺めながら、僕は「彼」 について思いを馳せずにいられない。
道を通り過ぎるカップル達よ。君たちは彼の事を知っているのだろうか? 君たちが今かみ締めている小さな幸せを守るために命を賭して戦った勇気ある男の事を・・・
 
******** 
 
紀元3世紀、ローマ帝国。
時の皇帝クラウディウス2世(214-270)には悩みの種があった。
238年、ドナウ川河口ヒストリアに北方の蛮族ゴート族が侵攻。それを皮切りに帝国領内に侵略を進め着々と南下を続けていた。
それ自体も問題ではあったが、より頭が痛いのは軍の士気の低下である。
かかる蛮族との幾たびにも渡る戦いにより民は疲弊し切っていた。とりわけ前線で戦う羽目になる若者たちの間には厭戦思想が蔓延し、 もはや看過できぬまでになっている。軍事力こそがこの帝国の礎である。それ無くしてかかる侵略者を討ち滅ぼすことはもとより、 広大な帝国領を支配し続ける事すら叶わぬは自明。なんとしてもこの忌むべき思想を払拭せねばならぬ。 そこでクラウディウス2世は一計を案じた。
兵士たちが戦意を失うのは、愛する者との離別を厭うためである。愛する故に死を恐れ命を惜しむのだ。
ならば愛する事を禁じてしまえ、と。
然してクラウディウス2世は兵士の結婚を禁止した。
 
若者達は悲嘆にくれた。
自分たちの愛は認められる事もなく引き裂かれ、いつ戦場(いくさば)の露と消えるとも判らないのだ。せめてこの世に生きた証(あかし)を。 どうか我々の愛の証(しるし)を!
それを見兼ねる者がいた。
イタリア中部の町インテラムナに住む一人のキリスト教司祭。
名は、ヴァレンタイン。
キリスト教の教義では、神は若者の結婚を望んでいるとされる。人が愛し合い、子を産み、育む。それなくしてこの世は成り立たぬ。 彼らを見捨てる事は自らの信仰に反する事だ。
 
彼は密かに兵士達の婚儀を取り計らった。
 
しかし彼の所行はやがて皇帝クラウディウス2世の知る所となる。
当時キリスト教は帝国による迫害の憂き目に遭っていた。ローマの伝統的な権威を否定し独自の神を信ずる者達である。 帝国にとっては獅子身中の虫。もとより決して容認できる相手ではない。 あまつさえ勅命を蔑ろにしたヴァレンタインの行為は帝国に対する明らかな反乱ともいえる。クラウディウス2世は烈火の如く怒り、 すぐさまヴァレンタインを囚え死刑に処した。
 
処刑方法、撲殺。
 
屈強な処刑官の振るう棍棒にヴァレンタインの体は見る間に血に染まっていく。殴られ、 嬲られ瀕死の重傷を負ったヴァレンタインに皇帝は改心を迫った。
 
ヴァレンタインの命はまさに燃え尽きようとしている。あと一振り。 あの忌まわしき棍棒のただ一撃でその命は跡形も無く消し飛んでしまう事だろう。だが認めるわけにはゆかぬ。我が身の命ほしさに、 愛を否定するこの男に屈するわけにはゆかぬ。
神よ、どうか力を。
ヴァレンタインは捻れた足で立ち上がり、皇帝の前に躍り出る。この瀕死の男のどこにそんな力が残っていたのか。 行く手を阻む兵士達を振り払い、天に拳を突き上げこう叫んだ。
 

「 ヴ ァ レ ン タイ ン 死 す と も 、

 愛 は 死 な ず ━━ ッ !!!

 

命を賭した叫びである。
灯火が消えんとするその刹那に強く大きく燃え上がったかのような、壮絶な叫びである。皇帝も兵士も気圧されて身動き一つ出来ぬ。 高らかに拳を掲げ、腫れ上がったその顔面には笑みさえ湛えているかに見えた。
しかしその時、最期の力を振り絞ったヴァレンタインは既に息絶えていたのだ。
威厳と確信に満ち溢れた立ち姿のまま。 
 
紀元269年、2月14日の事であった。

********

ヴァレンタインが壮絶な最期を遂げてから百余年が過ぎ、キリスト教はローマの国教となる。
さらに百年後、紀元496年。時のローマ法王ジェラシウス1世はヴァレンタイン殉教の日を祭日に定め、彼の名を聖人の列に連ねた。
こうして彼は愛の守護者として今日まで知られる事になった。

「愛に殉教した男、 血塗れヴァレンタイン」

これが彼の伝説の顛末である。
ありがとう、ヴァレンタイン。愛を・・・ありがとう。
 
 
 
 




『「現代ホラ吹き入門」~人生を面白くするホラ吹きのススメ~』 (知的生きかた文庫 マイキー著) 第2章「伝説は勝手に創って良い」より抜粋

comment

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あれ?
これ,去年も書いてませんでしたっけ?(笑)

マイキーさん、フィリピンではバレンタインがまだあるんですね♪
残念ながら、日本ではもうバレンタインはなくなりましたよ( ´ム_,` )
http://olo.seesaa.net/image/nomoresvd.jpg
http://olo.up.seesaa.net/image/antivalentine.jpg
http://olo.up.seesaa.net/image/antivalentine2.jpg

>裏方さん
裏方さん、ソレは誤解ですよ。
「去年も書いた」んじゃなくて
「毎年書いてる」ンですよ(どーん)(ぇ-?)
しかも毎年ちょっとずつ改稿している手の込みよう。
10年後には墨攻を上回る歴史スペクタクルに発展する予定です(磔刑)
ヴァチカンが公式設定に採用してくれるまで頑張るつもりですYO★(火刑)

>TMR
いや、いま日本に居るんだけどw
そうね、下駄箱に入ってたチョコレートを食べた中学生が砒素中毒で死亡とかしてもバレンタイン中止にならんだろうね、実際。
あ、不二家騒動はバレンタインの後に起こったらもっと面白かったのにw

え、日本にいるの・・・?フィリピンから日本へ出稼ぎ、とか?
しかし残念だ~。結構フィリピンで本気にするかなぁと思ったのにw

前は読み飛ばしていたような単語が、最近はイヤに身近だよ。
ドナウ川河口部って、ウチの近所だし。
ゴート族についてはアウグスティヌスのレポート書いたときにずいぶん調べたし。

ゴート族は蛮族じゃないぜっ!!

>サワムラ
うん、ごめんね。>ゴート族
多分世界中のどの部族も同程度に野蛮で同程度に高潔だと思ってます。
ただマーケティング的に
「キリスト教萌え」「自己犠牲萌え」「愛を神聖視萌え」
な方を対象としているのであえて蛮族扱いしてしまいました。
ゴート族の末裔の方々並びにゴシック建築好き、ゴシック体好き、ゴスロリ少女好きの皆様には大変申し訳なく思っています。
クラウディヌス2世とか紀元3世紀あたりのマニアックな話を知ってたら教えて欲しいなぁ。

>TMR
ちょっと野暮用が3つくらいあったので一時帰国しました。
明後日くらいにフィリピンに帰ります。
どっちの国に行くことも「帰る」と表現している自分に気がつきホント根無し草だなぁと思うね、オレは。

ちなみに、聖バレンタイン伝説も3つあるのョ~

>makiさん
そのようですね。
でも、どの伝説も聖人になるには今一歩殉教度が足りない気がしたしたので↑のようにしてみました。
プロフィール

まいきー

Author:まいきー
/1977//ダイバー/オキナワ在住。


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